それに対して業務用の冷凍庫は-20℃に設定されています。
家庭用に比べて開閉が頻繁になるのと食材の温度から受ける影響を考慮したものと考えられます。
微生物が増殖できない-15℃以下なら食品衛生法で定められている基準をクリアしているので問題はなさそうですが、
業務用冷凍庫の表示が-18℃で固定していた時、それは問題がないのかを検証してみましょう。
設定温度
業務用冷凍庫の場合設定温度が-7℃から-25℃の範囲で自由に温度設定ができるようになっています。
これは様々な食材に対応して温度が変えられるようにしてあるわけです。
なのでこの場合、設定温度が「-18℃」にしてある場合は表示温度が-18℃であれば正常ということになります。
しかしもし設定温度が「-20℃」なのに-18℃の表示のまま進まないとなると問題です。
庫内温度が-20℃になるとサーモスタットのセンサーが働いて自動的にコンプレッサーは停止します。
そしてまた温度が上がった状態になったときに復帰するよう仕組みになっています。
それが-18℃で進まないのは何らかの原因があるはずです。
その原因をいくつか考えてみましょう。
ドアパッキンに隙間がある。
タテ型の冷凍庫はドアの周りに磁石のついたゴム製のパッキンでしっかりと内部の空気が漏れないようになっています。
それが経年劣化で一部が破損していたりしてそこからどんどん冷気が逃げていく状態になります。
ぱっと見た目ではわからなかったり見えにくい下部のパッキンが破れていたりするので見てみましょう。
もし破れていたらメーカーでパッキンは取り寄せられるはずです。
電源がタコ足配線になっている
業務用冷凍庫は三相200Vが多いので同じブレーカーに多数の冷凍機がつながれていることはないと思いますが100Vのフリーザーなどはよくあることです。
100Vの場合は配電盤のひとつのブレーカーが20Aだとするとそこから配線されたコンセントにいろいろな電熱系の厨房機器などがつながれていると
十分な電力が冷凍庫に供給できないで冷やしきれない状態に陥っていることがあります。
ちなみにホシザキさんの「HF-90A」の運転電流は3Aとなっています。
この場合は一度別のブレーカーのコンセントからつないでみる必要があります。
フィルターが詰まっている
冬場はあまり気にしなくても夏場になると一番取扱いに気を付けてほしいのが冷却フィンの前についているフィルターです。
冷え切らいない冷蔵庫や冷凍庫の場合、このフィルターがほこりなどで完全にふさがった状態になっている場合があります。
業務用の冷蔵庫や冷凍庫は冷たい空気を冷却ファンを使って吸い込みながら熱くなった配管を冷やしています。
なのでこのフィルターが詰まっているというのはちょうど夏の暑い盛りに扇風機の後ろに分厚いセーターでもかけてやるに等しいことといえばご理解いただけるでしょうか？
とにかくこのフィルターはマメにお掃除する習慣をつけるようにすることで冷蔵庫がきっと長持ちすることは間違いないでしょう。
コンプレッサーの力が落ちてるかガス抜けしているか
たまに基盤などのエラーの原因もありますが一番問題なのがコンプレッサーの力が落ちていることです。
これは冷蔵庫に比べて冷凍庫は温度帯が低いので冷蔵庫に比べてコンプレッサーの負担度が高くなり使用時間数に応じて少しずつ冷やす力が低下してきます。
つまり設定温度が「-20℃」にしてあるにも関わらず「-18℃」にしかならないということはその冷凍庫は「-20℃」にするためにずっと動き続けているということです。
水道の流しっぱなしが気になるように電気が流れっぱなしになって電気代が「あれ？」て感じで増えてきます。
冷凍庫の冷媒を足すことによって一時は持ち直すこともありますが古い冷凍庫がこのような状態になったときはあきらめた方が無難です。
長期間使い続けていると電気代が増えた分で新しい冷凍庫が変えることになるかもしれません。
まとめ
業務用冷凍庫のことについてのお話でしたが家庭用のフリーザーでも同じことが言えます。
一般社団法人日本冷凍食品協会は、「冷凍食品」の要件の一つとして、食品の品温が30分以内にマイナス5～マイナス1℃の温度帯を通過しなければならないとし、
家庭用冷凍庫や業務用冷凍庫で冷凍した食品は「冷凍食品」に当てはまらないとしています。
「冷凍食品」は「急速冷凍庫」で冷やされたものでないと「冷凍食品」とは言えないようです。
家庭用の冷凍庫などでは冷やされたものはせいぜい4か月ほどの保存期間ですのでいつまでも冷凍室に保管されているのは劣化している可能性があるので廃棄したほうがよさそうです。
