飲食店やスーパー、工場などで使用されている業務用冷蔵庫は、店舗の営業に欠かせない重要な設備です。
しかし、長年使っているうちに冷えが悪くなったり、電気代がかさんだり、急な故障で動かなくなったりと、やがて「処分しなければならない時期」が訪れます。
ところが、いざ処分しようとすると、「どこに頼めばいいのか分からない」「費用はいくらかかるの?」「リサイクル券って必要?」といった疑問を持つ人が少なくありません。
家庭用冷蔵庫と違い、業務用冷蔵庫はサイズも重量も大きく、自治体の粗大ごみとして簡単に出すことができません。
さらに、冷媒ガスや金属素材の取り扱いが厳しく規制されているため、適切な方法で処分しないと「不法投棄」や「廃棄物処理法違反」とみなされる恐れもあります。
本記事では、そんな業務用冷蔵庫の正しい処分方法や費用相場、注意点、さらには「まだ使える冷蔵庫を高く売るコツ」まで詳しく解説します。
閉店や入れ替えのタイミングで損をしないよう、ぜひ参考にしてください。
1. 業務用冷蔵庫の処分が難しい理由

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① 家庭用とは扱いが異なる
家庭用冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象家電として、指定引取所や家電量販店が回収してくれます。
しかし、業務用冷蔵庫は一般的に産業廃棄物に分類されるため、家庭ごみとは全く別のルートで処分する必要があります。
自治体が回収してくれないことが多く、廃棄を依頼できるのは産業廃棄物処理業者や**不用品回収業者(許可業者)**に限られます。
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② 重量・サイズが大きい
業務用冷蔵庫はステンレス製で、家庭用の3倍以上の重量があります。
厨房の奥に設置されている場合、搬出には解体作業や複数人での搬出が必要になるケースも多いです。
そのため、単なる「回収費用」だけでなく、搬出作業費や人件費が別途かかることもあります。
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③ フロンガス回収の義務
冷媒として使用されているフロンガスは、地球温暖化を引き起こす要因の一つ。
業務用冷蔵庫の場合、「フロン排出抑制法」により、処分時に専門の回収業者によって適切にガスを回収・破壊しなければなりません。
これを怠ると、事業者側が罰則対象になる場合もあります。
2. 業務用冷蔵庫の主な処分方法5選

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① 産業廃棄物処理業者に依頼する
最も確実で法的にも安全なのが、産業廃棄物処理業者に依頼する方法です。
「廃プラ類」「鉄くず」「フロン類」などの区分に沿って適切に処理してもらえるほか、フロンガスの回収・破壊証明書も発行してもらえます。
費用はやや高めですが、閉店や大量処分の際にはまとめて対応してくれるため効率的です。費用目安:
冷蔵庫1台あたり 10,000~30,000円程度
搬出作業費や運搬距離によって追加費用が発生することも -
② 不用品回収業者に依頼する
業務用機器にも対応している不用品回収業者であれば、搬出から回収までスムーズに行ってくれます。
ただし、業者を選ぶ際は必ず**「産業廃棄物収集運搬業許可」または「古物商許可」**を持っているか確認が必要です。
無許可業者に依頼すると、不法投棄や不適切処理でトラブルになるケースもあります。費用目安:
小型(台下冷蔵庫など):5,000~10,000円
中型(縦型2ドア):10,000~20,000円
大型(4ドア・冷凍冷蔵一体):20,000~40,000円 -
③ メーカー・販売店による引き取り
新しい冷蔵庫を購入する際、販売店によっては「下取り処分」として古い機器を引き取ってくれる場合があります。
ただし、家庭用のような家電リサイクル法の引取とは異なり、業務用の場合は別料金になることが多いです。ポイント:
購入時に処分費を含めて見積もりを依頼
引き取り証明書やフロン回収記録の有無を確認 -
④ 指定引取場所への持ち込み
業務用冷蔵庫の中には、一部の小型製品が「業務用家電リサイクル対象」として受け入れられる場合もあります。
ただし、事前申請や持ち込み手配が必要で、搬出や輸送は自己負担です。 -
⑤ 買取・リユース業者に売却する
「まだ動く冷蔵庫」「比較的新しい製品」「人気メーカー製」なら、買取業者に売却するという選択肢もあります。
厨房機器専門の買取業者なら、冷蔵庫以外の製氷機・冷凍庫・シンク・ガスコンロなどもまとめて査定可能。
搬出から買取まで一括で対応してくれるため、費用がかからずむしろ収入になることもあります。
3. 処分費用と手間を比較

| 処分方法 | 費用目安 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 産業廃棄物処理業者 | 10,000~30,000円 | 法的に安全・確実 | 証明書発行あり | 費用がやや高い |
| 不用品回収業者 | 5,000~40,000円 | 即日回収可能 | 手間が少ない | 無許可業者に注意 |
| 販売店引き取り | 5,000~20,000円 | 新品購入時限定 | 同時処分が楽 | 引取条件が限定的 |
| 持ち込み処分 | 数千円程度 | 自分で運搬 | 費用を抑えられる | 搬出が大変 |
| 買取業者 | 0円~買取価格 | 状態良好なら売却可 | 費用がかからない | 古い・故障品は対象外 |
4. 不法投棄・無許可業者によるトラブル事例

たとえば「無料で回収します」と謳う無許可業者に依頼した結果、実際は山中や空き地に不法投棄されてしまい、依頼者(店舗オーナー)が廃棄責任を問われたというケースもあります。
実際のトラブル例
・名古屋市内:店舗改装時に業者へ一括処分を依頼→回収品が不法投棄され、罰金+原状回復費を請求された。
・大阪府:無許可業者が「無料回収」を装い、冷媒ガスを大気放出。依頼した店舗も法的責任の対象に。
このように、依頼者も「委託責任」を負うため、必ず許可証の有無を確認することが重要です。
5. 買取できる業務用冷蔵庫と高く売るコツ

特に飲食店閉店時の一括買取は需要が高く、費用をかけずに整理できるメリットがあります。
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買取対象になりやすい条件
- ・製造から7年以内
- ・動作確認済み(正常に冷える)
- ・錆やへこみが少ない
- ・人気メーカー(ホシザキ、ダイワ、サンヨー、パナソニックなど)
- ・業務用冷凍冷蔵庫、台下冷蔵庫、ショーケースなど
- ・掃除をしてから査定依頼を:見た目の印象で買取価格が変わる
- ・複数台まとめて依頼:まとめ査定で価格アップすることも
- ・閉店・移転前に早めに相談:稼働中の状態で確認できるほうが高評価
高く売るコツ
6. 業務用冷凍庫・大型機器の処分注意点

この場合は、フロン回収業登録業者+解体工事業者に依頼しなければなりません。
撤去費用は1台あたり数万円~数十万円に及ぶこともありますが、法的にはこの工程を省略することはできません。
7. 環境面から見た冷蔵庫処分の重要性

これらを適切にリサイクルすることで、資源を再利用でき、環境負荷を大幅に減らすことが可能です。
不法投棄や違法処理は地球環境だけでなく、依頼した事業者自身の社会的信用にも関わります。
「正しく処分すること」も企業の責任の一部と考えましょう。
8. まとめ:正しい知識で安全・お得に業務用冷蔵庫を処分しよう

不法投棄やガス漏れなどのリスクを避けるためには、許可を持つ専門業者への依頼が鉄則です。
また、状態が良ければ買取やリユースの道もあるため、まずは査定を受けてみるのも賢い選択です。
閉店や機器入れ替えのタイミングで慌てないためにも、余裕を持って業者を選び、法令遵守のもとで安全かつお得に処分を進めましょう。